ネダプラチン(アクプラ)による子宮頸がん1B1期の抗ガン剤治療
大体の人が、1B1期では手術をすると思う。
手術をしないでCCRT(放射線+抗がん剤治療)を選択する人は少ないだろう…
私が入院できたら、きっとよく耳にするシスプラチンなんかを使っていたのかな、と思う。
長女·結実の手術があり、入院を避けるために通院でできるCCRT(放射線治療+抗がん剤治療)を選んだので、入院するという選択肢は無い。
私が使ったのはネダプラチン、商品名「アクプラ」
”ネダプラチン(商品名:アクプラ):日本で開発された抗がん剤です。シスプラチンよりも腎臓への障害は少ないものの、腎臓や血液への影響を注意しながら使っています。頭頸部がん、肺がん、食道がん、膀胱がん、精巣腫瘍、卵巣がん、子宮がんに使われることがあります。
(引用元):国立がん研究センター/東病院
多分、点滴時間が短くて済むからだと思う。
前後の点滴も合わせて、トータル3時間程度で終了する。
ブログを書くために色々調べていると、アクプラ単体で治療している人はいなかった…
イリノテカンやパクリタキセルなんかと一緒に使っている人が多い印象。
何故私は単剤で…?
他の薬剤は初回入院が必要なのかな?
扁平上皮癌だから?
高度異形成から子宮頸がんになるまでの期間が半年程度だから早期だったの…?
それでも1A期ではなく、1B1期(手術はしていないので、手術した人がしている病理検査からの結果ではなく、肉眼で見える腫瘍の大きさでの推定)と進んでしまっているし…
理由はよくわからないが…
ネダプラタン(アクプラ)を放射線治療と平行して週1回、全5回行った。
病院では、
「うちでアクプラを(外来で?単剤で?)使うのは5年振りなんです」
と言われて、ほんとに大丈夫なの!?と不安になる。
結果として効いたのかどうかわからないが、この3時間ちょっとがある意味、強制的に何もかもから離れられる時間だったのかもしれない。
ネダプラチン「アクプラ」副作用・事前説明
事前に受けた説明では、
・骨髄抑制
抗がん剤治療が始まってから1-2週間経過した頃に、血液中の骨髄で作られる白血球(好中球)·ヘモグロビン·血小板が少なくなるため、血液検査を行う。
1.白血球(好中球)の減少
白血球(好中球)は細菌と戦う役割をするので、ある一定以上の数がないと、細菌の攻撃に対応できなくなる。
そのため白血球(好中球)が減少した頃に、感染によって38℃を超える熱が出ることがあるので、マスク·手洗い等の感染対策をすること。
2.貧血(ヘモグロビンの減少)
血液中のヘモグロビンが少なくなると、貧血の症状が出ることも。悪化すると輸血が必要になる。
3.血小板の減少
血小板の減少により、出血しやすくなったり、内出血が起こりやすくなったりする。採血や点滴後はしっかり押さえ、歯磨きも強く磨かないこと。悪化すると輸血が必要になる。
・吐き気·嘔吐·食欲不振
症状が軽いものも含め、吐き気が現れることも。個人差はあるが、1週間ぐらい続くこともある。吐き気止めを予防的に使う。食事がとれない時は、点滴を行う。
・脱毛
治療の種類によっては脱毛が起こることも。最初の点滴から2週目くらいに髪の毛が抜け始める。
・疲労·全身倦怠感
個人差はあるが、だるくなったり疲れやすくなったりする。
時として起こる副作用
・口内炎
食事の前後にこまめに口をすすぎ、口内が清潔に保たれるように気を付ける。
・下痢
抗がん剤の種類によって、点滴開始直後や、24時間以上経過してから現れる。
整腸剤や下痢止めの薬を使用したり、ひどいときには点滴が必要。
・肝機能障害
患者によっては、肝臓の機能に何らかの障害が現れることも。血液検査で調べる。
と説明を受けた。
子宮頸がん抗がん剤治療「アクプラ」実際の流れ
抗がん剤のある日は朝一番で病院へ行った。
8時半には病院へ入り、受付へ。
そのまますぐに婦人科へ行き、婦人科の受付…
2回目以降は体調チェックの紙を記入する。体温·前回抗がん剤後の嘔吐の有無·下痢の回数·爪の色等々…
そして採血。
結果が出るまでに1時間程度かかるため、合間に放射線治療を受ける。
血液検査の結果が出次第、婦人科にて診察室へ入る。
抗がん剤での体調不良の相談は、このタイミングでする。
血液検査の結果が問題なければ、抗がん剤治療を受けられる。
まず吐き気止め(イメンドカプセル125mg)を服用。
飲んで時間を空けてからじゃないと抗がん剤ができないらしく、どれだけ急いでいてもキッチリ30分待たされる。
(長女・結実の手術翌日は、別にしんどくなってもいいから早くしてくれと頼んだが、もちろん無理。)
ここまでが順調にいけば、10時30分頃に化学療法室に入って、抗がん剤治療を受けることができた。
化学療法室はマッサージチェアの様な、リクライニングできる大きな椅子が並べられ、カーテンで区切られていた。
診療明細に書かれているのが、
テルモ生食
水・電解質(イオン)が主な成分。輸液剤。
カイトリル点滴静注バッグ
抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
↓
デカドロン注射液
副腎皮質ホルモン(ステロイド)
抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患などに効果をあらわす
を先に入れて、副作用を抑える。
↓
アクプラ静注用70mg
細胞増殖に必要なDNAに結合することでDNA複製阻害やがん細胞の自滅を誘導し抗腫瘍効果をあらわす薬
抗がん剤を点滴し…
↓
テルモ生食500ML
大塚生食注100ML
ソルデム3A輸液200ML
水と電解質(イオン)を主成分とし、体液より電解質濃度が低く細胞内液を含む体全体に水分を補給でき、水分や電解質を含む輸液剤を点滴により補給することで体液のバランスを整え病態の治療効果を高められる輸液剤
最後は一気に輸液で流してしまうようだった。
一番早いスピードで落としてもらい、トータル3時間ほど。
点滴中も尿意や便意は襲ってくるため、抗がん剤だと1度止めてもらい、それ以外だと点滴をしたままトイレへ行った。
(中で倒れた時のために鍵はかけない)
何もトラブルなくいけば8時半~13時半で終了できた。
アクプラや処方薬デカドロン錠で私が感じた副作用
初回は抗がん剤を入れるタイミングで
「気持ち悪くなったり異変があれば言ってください」
と言われたので身構えたが…
実際は事前に入れてくれている薬のおかげか、点滴中看護師さんに声をかける程、辛いと思ったことは無い。
私が一番感じたのは、汗をかくこと。
化学療法室に入った時には、暑さも寒さも感じていなかったはずなのに、抗がん剤を入れてしばらくすると暑く感じて、ジトッと汗をかく。
点滴が終わって時間が経つと、症状がどんどん強くなって汗の他にふらつきも加わる。
胃も気持ち悪くなってきて、水を飲んでいるだけなのに変な味がするように感じたり、味覚にも若干変化があった。
夜が一番だるさやふらつきのピークで、夫の帰宅時間が遅いため娘2人と一緒に入浴するのだが、0歳の次女を抱っこしていて落としてしまわないかが怖かった。
(汗をかいているので、しんどくてもお風呂は入らずにいられない)
他にも、夜になると耳鳴りがしたりとにかくしんどくて、抗がん剤をした日は早く布団に入れるよう、夕飯やお風呂を早めた。
抗がん剤の後に処方されるのが、点滴の中にも入っていたステロイド『デカドロン錠』だ。
2日分、毎食後で処方される。
飲むのが遅れると、気持ち悪さとしんどさが増す。
吐くほどではないし食べられないほどでもなく、「ちょっと気持ち悪い」程度に抑えられていたのはデカドロン錠のおかげだったのかもしれない。
ステロイドは色んな不調が一時的に良くなるイメージがあったのだが、膀胱炎や下痢には一切効果がないようだった。
処方された2日分を飲み終わる頃には、抗がん剤のしんどさもかなり無くなっていた。
とにかく辛いのは当日と翌日で、それ以降は徐々に回復できた。
デカドロン錠の副作用というのは感じられなかった。
抗がん剤で調子が悪いのかデカドロン錠のせいなのか判断がつかない。
疲れているはずなのに寝付きは良くなかったかもしれないが…
抗がん剤アクプラの副作用で脱毛?下痢?免疫力低下や発熱は…
CCRT(放射線治療+抗がん剤治療)をすることになって、まず気になったのが脱毛だった。
子宮体がんで亡くなった母は、子宮摘出後の追加治療と再発後の治療で抗がん剤を使っていたが、両方髪の毛や睫毛なんかも抜けて、お坊さんのようだった。
治療のために髪の毛を失うのは仕方ないことだが、結実のお迎えなんかがあるので、何か聞かれた時がめんどくさいな、と思っていた。
先生に聞くと、アクプラではそんなに脱毛しないと言う。
点滴2回~3回目移行、少し抜け毛が増えるかもしれないが、この抗がん剤でウィッグが必要になることは少ないそうだ。
実際始まってみて、抜け毛が増えている感じはなかった。
それが回数を重ねる毎に、「最近少し抜けやすくなったかな?」という程度になった。
生え際は薄くなったと思う。
私は元々髪の毛が細く、抜けたり切れたりしやすいせいもあるかもしれない。
治療が終わって半年経つと、前髪の生え際に短い毛が目立つようになった。
美容室で前髪を切ろうと思ったら、切りたい長さの半分くらいにまで1度抜けた毛が伸びていて、今切ると長い毛と短い毛の差がハッキリして変なので、短い毛がしたい前髪の長さになるまで待ったほうがいいと言われた。
揃うまでは横に流してごまかすことになりそうだ。
放射線治療のほうにも書いたが、放射線治療単体より抗がん剤治療を併用している人のほうが、下痢がひどくなりやすい、と放射線科の先生に聞いた。
私の使っていたネダプラタン「アクプラ」は、そんなに強い副作用を感じなかったので、本当に?という気持ちはあるが、もし他の抗がん剤を併用した場合や、違う抗がん剤を使っていた場合は、もっと強い副作用があったのかもしれない。
次に書くラルス「腔内照射」でも、下痢や膀胱炎がひどくなるので要注意だ。
抗がん剤治療をした1ヶ月間、コロナの流行もあって皆マスクや感染対策をするのが当たり前になったせいか、風邪をひくことはなかった。
微熱程度はあったが、高熱が出ることもなく、貧血や血液検査の結果が悪くなったこともないので、1度も抗がん剤治療を中止せず、全て予定通りに終わることができた。
化学療法科の看護師さん達には結実の入院の件を話していたので
「入院すると食事が合わなかったり(好きな物が食べられなかったり)、行動が制限されて気持ちが落ち込む人も多いけど、河村さんは忙しくて落ち込む暇もないのがいいのかもしれないね!」と励ましてくれた。
確かに副作用で食事が摂れなくなったりすると、免疫も下がりやすいのだろうか。
通院治療は大変だが、そういう意味では良いのかもしれない。